両親
母の手はカサカサだった。
父の手もカサカサだった。
疲れ果てた背中を揉むと
こんなに小さかったのかと気づく
シワが増え、白髪が増え
日々、衰えている
気づかないフリをしていたのか?
本当に気づかなかったのか?
一人暮らしの俺に
何一つ言わない
ただ、誰よりも期待を込めて
背中を叩くだけ
だから言いたい
『ありがとう』と
この声が何処までも響き渡るように
りす