Garally


      

        無言の世界

 『何を思って漕ぐの?』

 『何を考えて漕ぐの?』

 『それとも無心で漕いでいるのだろうか。』

 『水面を眺め、何を感じているの?』

 『握るパドルに何を思っているの?』

 『君はなぜそんなに苦しそうなの?』

 『君はなぜそんなに辛そうなの?』

 『君はどこへ行きたいの?』

 『その先に何があるの?

 無言の選手

 ボートはそっと語りかけようとしたが

 その言葉を決して放ちはしなかった

 無言の中に何かがあることを知っていたから。

                   りす